カイラス山の麓・レコン・ピオへ

本日はレコン・ピオという町に行ってみます。北か東かで悩んでいましたが、とりあえず行けるところまで東進してみることにしました。北はその後です。
レコン・ピオは、地元の人はピオと呼ぶようです。昨日宿の人と売店のおっちゃんに聞いたところ、サラハンから直接ピオに行くバスは無いけれど、麓のジュリまで降りればバスは沢山通るよとのこと。
昨日ランプーのバススタンドでバスの時刻表をチェックしておいた抜かり無い私ですので、大体の時間は分かっております。ランプー出発時刻に一時間ほど足せば、バスがジュリを通る時間です。

サラハンバススタンド(の様なもの)
9:00頃にジュリを通るバスを目指して、念のため少し早めの7:00に宿を出ました。
しかしバススタンドにはシェアタクシーはおろか、一人っ子一人いませんでした。

犬っ子はいました。
昨日の子とそのお友達のようですね。相変わらずなつっこく、尻尾をふりながら鼻先アタックをかましてきます。

犬と戯れながら20分ほど待ちましたが誰も来なかったので、歩いて行くことにしました。あんな所でじっとしていたら凍えます。
地図アプリが言うには車道とは別にあるこの道を下って行けば、ヘアピンカーブをショートカットしてネクストロードに藪からスティックだそうです。

雪山に傘雲がかかっていました。

どうもこういう形の家屋はお寺限定ではなさそうです。この辺りの建築の特徴でしょうか。ちらほらこの形を見かけます。

20分ほどで車道に出ましたが、期待していたシェアタクシー通りすがりの「おっと良い所に」作戦は出来そうにありません。シェアタクシーどころか町がまだ半分寝ています。起きているのは早朝ジョギング中の軍人さん達だけ。近くに宿舎があるようです。

その後さらに30分ほど歩いたら、昨日のぶっ壊れポイントに着きました。下りですので、サラハンからここまで一時間ほどでした。
また誰もいなかったらどうしようと思いましたがバスはちゃんといたし、人も結構乗っていました。皆さんどこから湧いていらしたんでしょうか。道中ほぼ誰にも会わなかったのですが。

別の道からバスが登っていくのが見えました。サラハンのバススタンドにも待機中のバスがいましたし、国道から延びているもう一本の道はしっかり機能しているようです。
そうでなかったらサラハンは陸の孤島になってしまいますので、何よりな光景でございます。

Jyuri
たいたい30分で麓のジュリまで降りて来ました。そしたら丁度レコンピオ方向に行きそうなバスが通りかかったので、降りてきた乗客の男性に「これレコンピオ行きですか?」と聞いてみたら違うとのこと。でも5分か10分くらいしたら来るよと教えてくれました。
男性「ピオに行くのかい?」
私「はい」
男性「なんで?」
な、なんで・・?
私「えと・・山が好きだからです」
男性「ピオめっちゃ寒いよ~雪降るかもよ」
なんと。
私暑さには比較的強いですが寒さには弱いので、ちょっと怖じ気づきました。でも雪は見たいです。それに、寒いなかで飲むチャイや温かいシャワー(あればの話)や温かいお布団(あればの話)は格別だと思うんです。
・・・不安になってきました。


おっかない道をブイブイ走ります。インドはバスの落下事故が多いそうですが、こんな道をこんなスピードで走っていたらそら事故もおきます。実際、道路脇にベコベコになった元バスや乗用車が転がっているのを何度も見ました。

雪山が見えてきました。ピオはキノール・カイラス山の麓にある町なのです。
その後しばらく谷底を走っていましたが急にどんどん標高を上げ、

とんでもなく素晴らしい景色が見えてきました。

あれがキノール・カイラスですかね?知っている名前なのですごくテンションが上がりますが、残念ながらどれがそうなのか分かりません。

レコン・ピオバススタンド
レコン・ピオに到着しました。山岳地帯にしては割と大きめの町のようです。
バススタンドで次の町へのバス時刻表をチェックした後は、もう少し移動があります。近郊のカルパ村まで泊まりに行くのです。
カルパ村はピオからバスで30分くらい、標高400mほど上方にあります。400mも登るわけですから、そこから眺めるキナウル山はピオ以上に素晴らしいのだとか。本日はそこに泊まり、あわよくば三泊くらいのんびりして山を眺めたいと思っております。

が、その辺にいた人に「カルパ行きのバスってどれですか?」と聞いたら「無いよ。歩いて行くしかない」と言われました。
そこに住んでいる人がいるのだから無いはずがないのですが、他の人に聞いて回るのも面倒くさいので歩き始めました。どうせ一本道なのですから、バスが通ったら捕まえれば良いだけの話です。

ショートカット
カルパ村までは4、5キロだそうで、距離はともかく400m標高を上げないといけないので結構な坂道です。バックパックを背負って歩くのはちょいと辛い距離です。
しかし途中いくつかショートカットがあったので、そういう道を積極的に選び距離を縮めます。地元民用のショートカットはほとんどの部分が山肌むき出しで歩きにくいですが、ちょっと楽しいから困ります。やはり山です。

雪山が近くなってきました。
一時間ほど歩いても全然バスが来ず、まさかおっちゃん本当の事を言っていたのか?インド人に限ってそんな・・と不安になり始めたころにようやくバスが通りました。良かった。やっぱり嘘だったのですね。
半分くらいの地点から乗ったからか麓からでも同料金なのか、バスは5ルピー(9円)と格安でした。

カルパ村
バスに乗っていたのは地元民ばかりで、私以外に観光客の姿はありませんでした。シーズンオフを痛感します。



カルパ村風景
バススタンド付近は小さな商店が並び民家も多く、割と賑やかと言えなくもない雰囲気でしたが、それを過ぎると・・

急にこんな感じになりました。
この風景を一瞬で気に入り嬉しくなると同時に、なんかすごく不安になってきました。宿はちゃんとあるのでしょうか。

レコン・ピオからの景色でも十分感動しましたが、ここはさらに雪山に近く本当に絶景です。こんな中で数泊できたら心がピッカピカになりそうですが、




宿が軒並み閉まっていました。
本当に、本当に軒並み閉まっていました。
welcomeって書いておきながらその頑丈そうな南京錠は何なのですか。
現在この辺りは完全なシーズンオフで、宿の多くが閉まると言うのは聞いてはいましたが、まさか全滅だとは思いませんでした。まあ一軒だけ明らかに予算の5倍は行きそうなホテルを素通りしたので、もしかしたらもしかしたかもしれませんが。
でもそこも全く人がいる気配がなかったので、多分もしかしないと思います。



仕方がないので下山してレコンピオで宿を探すことにします。
気分は重いわ荷物は重いわで大分遠い目をしていた私でございますが、カルパ村中心部へのショートカットが良い景色だったので、ちょっと復活しました。

この辺りの地域でよく見る木と石を組み合わせた壁がなんだか格好良くて好きです。ただすきま風がかなり寒そうなので、中がどうなっているのか気になります。モンゴルのゲルみたいに分厚い布を巻いたり貼ったりしているのでしょうか。

お寺
本当はカルパに二、三泊して明日辺りのんびり見に来ようと思っていたお寺ですが、今日済ませます。「済ませる」とか言い始めた時点でもうね。こんなはずじゃなかったのですが。



誰もいませんでしたが、雰囲気のあるお寺でした。

さて、下山します。
バススタンドにはバスが数台停まっていましたが、動く気配が見えないので今回もとりあえず歩いてみて、良いタイミングで来たら捕まえる作戦でいきます。

さようならカルパ村。疲労と哀しみと肩の痛みだけを提供してくれた村よ。

下りは登りの時よりショートカットを見つけやすく、すごく楽しかったです。ほぼ全てのカーブにあったんじゃないでしょうか。「どこかな~、お、あった!!」という小さな冒険です。
新幹線より鈍行、鈍行より市バス、市バスより自転車、自転車より徒歩。やはり速度が遅ければ遅いほど、冒険と発見に満ちています。やりたいことは見えているんですけどね。

下山
途中何台かバスは通りましたが、もうすっかり楽しくなっていたので最後まで歩きました。気分は高揚していますが、肩はバッキバキです。早く宿を見つけて荷を下ろさなくては。

レコンピオ風景
ピオは大きな街ですので宿だらけかと思いきや、想像よりだいぶ少なかったです。ついでに閉まっているっぽい宿も数軒あり、宿探しは難航しました。あるにはあるのですが、ことごとく予算オーバーで。

が、なんとか払える金額&Wi-Fiありの宿を見つけ出しました。もう疲れたので二泊はしたいし、二泊するなら少しはブログを片付けたいのでWi-Fiは必要です。
本日の宿は、言い値800だったので流石に予算オーバーだと立ち去ろうとしたらすぐ600まで下がり、二泊するから550にしてくださいと粘ったらOK。しかし代表っぽい人は苦虫を潰したような顔をしていたので、ちょっとやりすぎたなと思いました。
そして会計時に請求されたのは、二泊で1,000ルピーでした。向こうは一泊500まで値切られたつもりだったようです。そら苦虫も二、三匹潰れますわ。すみませんでした。

本日の晩ごはん
今日は朝から何も食べずにだいぶ歩いたので、贅沢していっぱい食べるぞ!ということで好物のシャヒ・パニールです。例の太るチーズカレーです。しかもこのお店のそれはバターたっぷり増量コースでした。さらにご飯をお代わりしてしまったので、もうまっしぐらです。

しかしご飯より先にカレーが無くなってしまいました。計算ミスです。
白いご飯は好きですが、このご飯土の味がするしそのまま食べるのはやや辛し。・・と思っていたら、サービスでダール(豆カリー)を出してくれました。
なんとお優しい!土の味とか言ってすみませんでした。大地の味というべきでした。
お腹いっぱい幸せになり、宿の温かな布団にくるまれてゆっくり眠りました。

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<情報コーナー>
○ サラハンからレコン・ピオ
サラハンからレコン・ピオへの直行バスはない。
麓のジュリJyuriまでシェアタクシーとバスで40分くらい、バス運賃15ルピー。ジュリからレコン・ピオ行きのバスに乗れる。ピオまでほぼ一本道なので適当なバスを乗り継いでもいいが、一応ランプーRampur発レコン・ピオ行きの時刻は以下の通り。ランプーからジュリは一時間少々なのでこれを足す。
ランプー発レコンピオ行き
6:20/6:40/7:55/8:10(Kalpa行)
この他にもシムラ発ピオ行き等が通るので、本数はもっと増える。午後の便も当然あるはず。
○ レコン・ピオからカルパ村
市バスが頻発している模様。その他、ランプー発カルパ村行きもある。
○ レコン・ピオの宿
「Cafeteria Roof Hotel and Restrant 」
ツーリストインフォメーションとパーミーットオフィスがある通りをマーケット方向に進んだ左側。ホットシャワーはないが、お湯は出るのでバケツに貯めてかぶるスタイル。Wi-Fiありだがよく切れる。看板が分かりにくい。レストラン併設。
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