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東部中蒙国境突破失敗


漢字だけ並べると格好良いですよね。



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ハヴィルガ国境

本日はモンゴルを出て、中国に再入国します。

7/22の日記にも書きました通り、今回使う東部の国境については、外国人は通れないらしい、いや通れるらしい、国際バスがあるらしい、いやあるけど不定期らしい、など気軽に挑むにはあまりに情報が足りない状態でした。




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チョイバルサンバスターミナル

というわけでほとんど諦めかけておりましたが、魂がうち震えるほどありがたいことに、ここを通る国際バスについての情報を事前に頂くことができました。そして本日、いよいよそれに乗り込むわけです。

国境越え、しかも全く情報のない国境ですので、ドキドキします。





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チケット

バスはモンゴル国内でよく見る普通のやつでしたが、チケットに中国語が印字されており国際バス感を醸し出しています。そして車体にも中国語で「国際」の文字が。おおっ・・ってなりました。






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バスは最初はアスファルトの上を、そしてすぐにダートに入り、草原の中をひたすら進みました。モンゴルの草原もこれで見納め。また来るつもりはありますが、しばらく見られないと思うと寂しいです。





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東部中蒙国境(ハヴィルガ)

3時間ほどたったころ、バスは国境に到着しました。ゲート前でバスごと待機し、ようやく入れたら今度は審査室前で待機。なかなかスッといきません。

そしてようやく人が動き始め、審査がスタートしました。しばらくして私の番になりましたが、パスポートを見るなりどこかに無線をかけはじめる審査官。

嫌な予感・・・というか、この時点で大体察しておりました。



速やかに別室連行された私は、執務室みたな部屋のデスク前に立たされ、審査官とは別の国境警備員みたいな人が私のパスポートをコピーしてパソコンで何かをしているのを、冷めた気持ちで見つめていました。

警備員「チャイニーズ?」
私「ジャパニーズです」
警備員「ああジャパニーズ」
私「・・・」
警備員「・・・」
警備員「チャイニーズ?」
私「ジャパニーズですって」


何の茶番でしょうかこれは。

その後警備員さん(仮)は誰かと電話をしだし、その電話を私に握らせました。相手はどなたか存じませんが、英語を話せる女性でした。

女性「何故ここに来たの?」
私「ハルビンに行こうと・・この国境が近かったものですから」
女性「仕事は何を?」
私「事務員です(嘘)」

別室連行時のおきまりの会話を重ねます。
そして、



女性「残念だけど、この国境は中国人とモンゴル人しか通れないの。」

だそうです。




ほぼ察していたものの、やはり言葉にされるとショックです。しかし諦めてなるものか!

「外国人も通れるという話を聞いて来たんですが・・」
「この国境は中国とモンゴル二国間の協定で成り立ってるの。だから外国人は通れないのよ」
「でも通った前例を聞いたんです(嘘)」
「そんな例は知らないわ」
「・・・(そうでしょうね)」
「・・どうしてもダメですか?」
「ダメなのよ」
「チョイバルサンに戻りなさい」
「分かりました・・・でも、どうやって?」

私が乗ってきたバスはこのまま満洲里に行ってしまいます。ここには国境ゲートがあるのみで、一番近い町は国境の向こう側です。満洲里からチョイバルサンに行くバスもあるでしょうが、そんなものいつ来るか分かりません。



「ハルビンに行きたいならウランバートルから飛行機がオススメよ」

いやハルビンはもういいんですよ。


「ロシア国境は通れると思うわよ。そこからハルビンに行ったら?」

いやロシアに用は無い上にビザも無いんですよ。
そしてハルビンはもうどうでもいいんですよ。




私「チョイバルサンに戻る方法を何か知りませんか?バスとか」
女性「バスはないわね。うーん・・・」

悩んでしまった電話の向こうの誰か知らない女性。私はこの電話を切ったらおしまいなので、絶対に離すつもりはありません。今頼れるのはこの人だけなのです。



私「じゃあヒッチハイクしてみます。ここって一般車両も通りますよね?」
女性「待って、何とか車を手配できないか頼んでみるから、さっきの人に代わってくれる?」
私「わかりました・・色々とありがとうございました」



その後すっかりやる気を無くし壁にへばりつく私を、警備員さんは半笑いでベンチまで案内してくれました。廊下を挟んだ反対側は入国審査会場になっているようです。ほお~こういう仕組みで。

そしてその入国審査会場には、今入国を果たしたばかりのモンゴル人だか中国人だか分からない人達がいました。彼らの視線の先には、一台のハイエースが停まっていました。

これだ!

と私が立ち上がるより先に、先程の警備員さんが私を乗せてくれるよう交渉してくれました。



私「チョイバルサンに行けるんですか?」
警備員「(笑)」

え、なにその笑いは。私はどこに連れてかれるんですか?



まあともかく、この何もない国境からは離れられます。どこかは知りませんがどこかに行けるようです。ようやく命が繋がり、血の気も戻ってきた私。

そして、そういえばバスの中に水とキャップを忘れてきてしまったことを思い出しました。いや忘れたというか、「私はここにいましたよ。置いてかないでね」というメッセージを込めて置いてきました。

結局バスは私を残し、キャップと水だけを満洲里に連れていったことになります。私の帽子が中国を満喫してくれますように。そして誰か中国人の頭に乗って元気でやっていけますように。





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何かの記念撮影をする人々

警備員さんにお礼を言い、早速バンに乗らせてもらいましたがこれが明らかに行きと違う道を走っています。この景色も全く見覚えがないですし、私は本当にどこに連れて行かれるんでしょうか。

このまま滞在期限が過ぎたらもうここに住んだろかいなという気持ちが固まりつつあるので、ロシア国境とかに連れていかれるくらいなら、いっそここに置き去りにしてもらった方がいいかもしれません。草原も川もあるし、キャンプに向いています。羊がうろついていたらなお良しです。






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本日の宿

バンはどこをどう通ったのか、普通にチョイバルサンに着きました。そして運転手さんにタクシー代として20,000Tg(900円くらい)を支払い、お礼を言って別れた後は、すぐにバスターミナルに行き明日朝のウランバートル行きバスを押さえました。うまくすれば本日18:00のバスに乗れるかと期待していたのですが、15分差で叶わなかったので。無念ですが、今夜は再びチョイバルサン泊決定です。

一応国境越え失敗に備えて数日の余裕を持たせてあるものの、その日程は割とギリギリです。一刻も早くウランバートルに戻って別の国境に向かわないと、「滞在期限切れ」という言葉が冗談じゃなくなってきます。





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カップ麺とビールで晩酌

流石に少し疲れました。

でも、謎の国境の正体が分かって滅茶苦茶スッキリしました。
挑んでみて良かったし、挑んだ自分が好きなので全く後悔はありません。

情報をくださった皆様、本当にありがとうございました。
改めてお礼申し上げます。

そして今後の旅人の皆様、

東のハヴィルガ国境は通れないぞー!!



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<情報コーナー>

○ チョイバルサンから満洲里行き国際バス

※ このバスには乗れますが、国境を通過できません。

しかしせっかく頂いた詳しい情報を無駄にしてしまうのはあまりに惜しいため、近い未来にこの国境が外国人にも開かれることを願って、そのまま記載させて頂きます。

ーチョイバルサンから満州里行き国際バスー

チョイバルサンバスターミナルより、
月、水、金の11:00発、到着は20:00頃。44800TG。
チケットは建物1F左側の部屋のカウンター、右側は関係無い。

| モンゴル | 22:50 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

いやー!大冒険でしたね!
とてもワクワクしながら読ませて頂きました。
結果としては通れなかったですが、
とにかく行ってみよう!という低橋さんの旅人感が、めっちゃかっこいいです!

きっと、帽子は今頃中国人の頭の上で活躍してますよ!!!笑

| ピロシキ | 2017/08/07 21:22 | URL | ≫ EDIT

>ピロシキさん

あんな冒険にするつもりはなく、普通に通過するつもりだったんですよー。笑
やはり警戒しているときは何もなく、油断しているときに事は起こるのですね。
ジンクスがまた強固になってしまいました。笑

| 低橋 | 2017/08/08 19:57 | URL |

こんなこと書いたら怒られるかもしれませんが、ネットで十分な情報が得られない場所がいまだ存在しているのは、何かいいなあと思います。現地に行かなければわからない。これってけっこう魅力的。しかし、低橋さんが現時点での正確な情報をアップしたので、また一つ、ネットで得られない情報というのが減っちゃったのですね。
実は今月末、ちょっとだけハルビンとかに行くので、低橋さんによるハルビンの最新情報が読めなかったのは残念です。

| オフ | 2017/08/11 21:54 | URL |

>オフさん

私自身何の情報もないところに行くのは怖い反面かなりワクワクするので、そうか、あまり詳しい情報を載せるのは次の旅人の楽しみを奪うことになるのかも・・と、ちょっと考え込んでしまいました。笑
でも考えてみれば、数十年前までの旅人が本当に旅人らしかったのは、見知らぬ土地を真の意味で「旅」していたからなんですよね。その時代に憧れながら、自分もしっかりそのロマンを崩す手伝いをしている事実に今更ながら驚愕しました。満たされないわけです。

特大のヒントをくださりありがとうございます。なんだか妙にスッキリしました。でも情報をまとめるのは半分以上趣味でやっているので、趣味とロマンの間でジタバタする未来が見えます。とりあえず、すでに3件ほど趣味の記事をまとめてしまったのでロマンに睨まれながら更新します。笑

| 低橋 | 2017/08/11 23:13 | URL |

ブログやホームページは個人の趣味でやるものですし、自己の記録なので、自己規制などかけず、いろんな情報どんどん書いちゃってください(低橋さんが書かなくてもそのうち誰かが書くでしょう)。事前に情報が得られない場所がどんどん減っていくのは時代の趨勢ですし。
ちなみに僕は陸路国境越えが好きで、昔は面白そうな陸路国境越えをメインに旅のルートを決めたこともあります(旅行期間の都合で、1回の旅行における国境越えは1カ所もしくは2カ所というしょぼいものですが)。そんなわけで、低橋さんの今回の記事はとても興味深く読ませてもらいました(国境からチョイバルサンに戻る足が確保できるのかどうか、というあたりは特に)。
ちなみに、陸路国境越え好き人間にとって、下川裕二の『「裏国境」突破 東南アジア一周大作戦』(新潮文庫)は面白かったです(もうお読みかもしれないですが)。

| オフ | 2017/08/12 15:17 | URL |

>オフさん

ありがとうございます。そう言って頂けると、このまま趣味を続行してもいいのかなと思えます。笑
私は旅自体ももちろん好きですが出発前に情報を集めてノートに書き込み、地図のコピーを何枚も用意して線を引いたり消したりする作業がすごく好きです。大抵その通りには行かないのですが、後からノートを見返してニヤニヤしたり、新たな線を書き足したり。線を繋いでいくというのは、陸路旅最大のロマンですよね。
教えていただいた作品は読んだことがありませんでした。帰国したら是非読んでみます!

| 低橋 | 2017/08/14 11:53 | URL |















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