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東ティモール最高峰・ラメラウ山の日の出

おはようございます。現在夜中の3時でございます。今日はこれからラメラウ山登頂を目指します。
夜中に登頂開始するのは、日の出を見る為です。

が、待ち合わせの3時になってもガイド少年が現れません。寝坊でしょうか。だとしたら、私は彼の連絡先を知らないし今真夜中だしどうしようもないので、あと10分待って来なかったらもう2度寝して明日昼の登頂に切り替えようと思います。
とか何とか考えていたら、隣の部屋からガイド少年が寝ぼけ眼で出て来ました。泊まってたんですか。



というわけで、登頂開始です。

ガイド少年は英語が通じず、現地語のみです。
昨日少年少女隊が宿の人に「山岳ガイドを紹介してあげてください」と頼んでくれ、その30分後に「ガイドが必要と聞いて」と現れた地元少年が本日のガイドさんです。13、4歳にしか見えません。なお、この少年のあと別の少年がまた同じように現れましたが、宿の人はどういう手配の仕方をしているのでしょうか。宿の前に「日本人旅行者がガイド募集中!」とか掲げられていたらどうしよう。



真っ暗闇の登山なので写真はありませんが、道は割と険しく、砂と土と石がゴロゴロしているのでよく滑ります。そんな中で私はヘッドライトを持っていないので、頼りはガイド少年の懐中電灯だけです。しかもその懐中電灯は電池が切れかけているのか、ときどき点滅したり消えたり、かなり儚い感じです。私達遭難するんじゃないでしょうか。

私も以前はヘッドライトを持っていたのですが、今回の旅では忘れて来たのです。
早急に新しいのを買わないといけません。東ティモールには良いのが無さそうなので、インドネシアかマレーシアに着いたらすぐに。可及的速やかに。SU・GU・NI。と思いながら今薄暗がりを歩いています。かなり怖いです。心霊的なあれではなく、安全上の問題で。

少ない灯りの中で山道を登るのはやはり難しく、さらに私は昨日の予期せぬ3時間トレッキングの疲れが若干残っている為、その行程はなかなか辛いものとなりました。「標高2,963メートルなので、それほど難しくはありません」とかほざいた昨日の低橋さんを殴り倒したいです。あの人はいつもそういう考え無しな発言をするんです。



道は最初かなり険しかったですが、1時間も歩かないうちにこれが階段に変わりました。
登頂に必要な時間はおよそ2〜3時間とのことでしたので、今いいペースで来ているとしたら残りはあと1時間(推定)。このまま山頂まで階段で行けたら随分楽だぞお〜と浮かれていたら、またすぐゴロゴロ道に戻りました。期待させないでください。最近私の心は折れ癖がついているのですから、すぐポキッといきますよ。

最初は汗だくで歩いた道も、標高が上がるにつれどんどん寒くなっていきました。
寒さと疲れで手足がむくんで、だんだん上手く動かなくなってきました。足が思う様に上がらず、何度もつまずきます。そしてガイド少年はと言うと、私の隣で咳くしゃみ鼻づまりに苦しんでいます。風邪ですか?何故そんな体調でガイド役を買って出たんですか。無理はいけません。

さらに歩くこと何十分・・・なのか数分なのかもう分からなくなって来ましたが、「あ、頂上が見えて来た!」と思うたびにそれは目指す山頂とは違う部分であることが分かり、何度もガッカリさせられます。しかも、当然と言えば当然なのですが、道はまっすぐ山頂に向かうのではなくかなりの回り道をするので、ゴールは見た目以上に遠いです。心は既に疲弊しきっております。

でも、星がすごく綺麗なので励まされます。山の中なので邪魔する灯りもなく、月は細く、天の川が綺麗に見えます。お星様、もし願いが叶うなら、山頂までワープさせてください。




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ラメラウ山、山頂のマリア像

そして登頂開始から2時間半。
後半30分は何度か立ち止まりながら、そして昨日の疲れ以上に昨今の運動不足を強く感じながら、なんとか山頂に辿り着きました。

登頂直前あたりから木々の壁が薄くなり、山頂はかなり激しい風が吹き荒れていました。
めちゃくちゃ寒いです。あらん限りの防寒着を持って来ましたが、全然効いておりません。

そんな山頂には、マリア様がいらっしゃいました。

おおマリア様・・・超寒そうですね。大丈夫ですか?
日本のお地蔵様のように、何かをかけてあげたくなりました。


上の写真はある程度明るくなってから撮影したものですが、実際には、登頂完了時にはまだまっ暗でした。ここに着いたのは5:40ごろで、日の出は6:20ごろだったからです。

日の出前に、もう1グループ山頂に現れました。
ドイツ人男性2人組と、ガイドさんです。そしてこのドイツ人、一人は普通ですが、もう一人がまさかの半袖Tシャツです。正気でしょうか。あまりにも気になるため「寒くないんですか?」と聞いてみたら、「寒いよ」と返ってきました。もしかして阿呆なのかなと思いました。

ついでにガイドさんはサンダル履きでした。この人もアレなのかなと思いましたが、地元民なのでそれと分かって履いて来たのでしょう。ドイツ人とは違います。




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日の出が近付き、東の空が紅く染まってきました。
私はそんな美しい空を見ながら、

日の出早く!寒い!帰りたい!

と思っていました。感動する前に凍え死んでしまいます。

以前書いたことがあるかもしれませんが、漫画「マッドメン」の作者、諸星大二郎氏の短編集の中に、美しい光景を見ると感動して死んでしまう民族が出て来ます。感動して死ぬというか、感動するあまりその気持ちのまま命を終えたいと考え、自殺してしまうというイカれた民族です。もちろん架空です。

それを読んで、私も・・・さすがに死にはしませんが、「ここで命を終えてもいい」と思える程の光景に巡りあえる日が来るだろうか、と思いながら旅を続けています。

が、美しい光景に巡り会う度思うのは、「私の人生は素晴らしいものだな」ということです。そして、「もっとこんな光景を見たい」という気持ちが湧いて来ます。こんな生活をしているのでもちろん将来への不安も大きいですが、それ以上に、今はただ、こんな経験をさせてもらえていることに感謝してこの日々を大切に・・・

・・・とか何とか考えて気を紛らわせていますが、やっぱり寒いです。

助けて!帰りたい!日の出とかどうでもいいわ!




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小さいキャンプファイヤー

ガイド少年が木陰で一人で火を起こしてぬくぬくしていました。ずるいぞ自分だけ。
しかも少年は、どっから出したのか厚手の毛布にくるまり凍えていました。
そういえば風邪っぴきでしたね。大丈夫ですか。

山頂の展望台は寒さと暴風でいられたものじゃないので、
私も少年と一緒に暖を取ることにしました。日の出はまだ少し先のようなので。

しかしやはり、火は偉大ですね。キャンプな日々で散々お世話になったので、私はお日様と火と水には常に敬意を払うことにしています。一人新興宗教を開けそうな陶酔っぷりです。入信者は別に募集しておりません。



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夜が明けました。
新しい一日の始まりです。

いま新しい一日開始数秒で命を落としそうなくらい寒いですが、あと少しの辛抱です。
もうちょっと明るくなったら帰ります。すぐ帰ります。暖かいベッドの待つハトブリコの村へ。



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美しい光景です。大変でしたが、来て良かったと思います。
心が洗われました。写真も撮りました。本当よかったです。


よし!帰ります!




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下山中

今度は明るいので足下もよく見えますが、なかなか険しい道ではありませんか。
歩きにくいわけです。あの暗がりの中でよく登ってきたものですよ。



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集会所?

道中、こんなものがありました。
暗闇の中ではまったく見えませんでしたが、集会所か何かでしょうか。
まだまだ山の上の方なのでここまで来るのも大変だと思うのですが。
もしや隠れキリシタンみたいなアレでしょうか。



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まだまだハトブリコは見えません。登山中も眼下に見える町の灯りがかなり遠く感じられましたが、やはり2,963mは伊達じゃなかったのです。



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階段と何か

階段はかなり最初の方だったので、すでにだいぶ降りて来たことが分かります。
そして先を行くドイツ人達に付いて往路とは違う道を通ってみると、写真下のようなものがありました。祭壇っぽいですがキリスト像などもなく、集会所にしては小さいです。ガイド少年に聞きたいですが言葉が分からないし、ムズムズします。今思えば、ドイツ人を連れて来た方のガイドさんに聞けば良かったのですが。



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階段のスタート地点まで戻って来ました。こんな所を通っていたんですね。
ハトブリコからここまでは登りで30〜45分くらいだったと思うので、村はすぐそこです。
ちゃんと時計をチェックしたわけではないので、体感にすぎませんが。

ハトブリコまでもう少しですが、ドイツ人2人組はここから車で下山して行きました。
なんと、ここまで車で来られたんですね。ズルイぞズルイぞ。このTシャツめ。




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しかし車が通れるような良い道を歩いた覚えは・・・と思っていたら、私とガイド少年はこの後道無き道を下りました。この感じは、暗闇の中ですが確かに歩いた覚えがあります。暗闇だから歩きにくいのだと思ったら、暗闇じゃなくても歩きにくい道だったんですね。いや、私はこれを道とは認めませんが。強いて言うなら近道ですが、それ道であって道じゃないですからね。



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行きは通った覚えがありませんが、最後はこんな小川沿いの道を通って・・・



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ハトブリコに帰って来ました。生還おめでとうございます。



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そしてあちらがラメラウ山です。遠いじゃないですか・・・。

後から分かった事ですが、ハトブリコからラメラウ山頂まではおよそ15キロの道のりだったようです。高低差は約1000メートル。数字にしてもあまりピンと来ないのですが、登りながらの15キロって大変なんですね。私はトレッキングは好きですが、登山経験は全然多くないのでそこらへんの考えが甘いです。こういう奴が無茶して遭難するんですよね。

しかし、その数字を行く前に聞かなくて良かったです。知らぬが仏と言う奴ですね。

現在時刻は8:30ですので、山頂の1時間休憩を入れて往復5時間半の道のりだったことになります。当然疲れてはいますが、下りは楽だったのでだいぶ回復できました。もう一回行けと言われても断固拒否ですが。



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ガイド少年

ちなみにこちらが風邪っぴきガイド少年です。
今日は本当にありがとう。早く風邪が治るといいですね。



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本日の朝ご飯

ガイド少年が宿の人に伝えてくれた様で、帰宅の5分後には朝食が出て来ました。
ありがたやありがたや。五臓六腑に染み渡りました。



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本日のお昼ご飯

シャワーを浴びて洗濯をして仮眠をとっていたら、ドアをノックされ昼食に呼ばれました。肉です。そして例によって、好きなだけ取って食べていい方式なのでおかずもごはんも山盛りです。ありがたやありがたや。



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教育関係施設「Sois 24/7 Becara」

昼食の後は、昨日一緒に歩いた少年少女隊の働くオフィスに遊びに来ました。
こちらは地元民含む東ティモール人、および周辺諸国の人々に英語や暮らし方を教える施設だそうです。私が訪問したときも英語とポルトガル語の授業中でした。実際の授業は午前中で終わった様で、今見せて貰っているこれは自主学習なんだそうです。

同様の施設は東ティモール国内におよそ60あるそうで、カンボジアなどの周辺諸国と、日本の神奈川にもあるんだそうです。全然知りませんでした。



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私を迎えてくれた少女達です。右端の2人、そして今日は会えませんでしたが他の4人の少年少女が、昨日私と一緒に歩いてくれた子達です。

写真に写っている子達の半分は現在進行形で英語の勉強中ですが、皆とても上手にこれを話していました。おそらく日本の子供達の方が英語学習にかける時間は長いはずですが、それでもこれだけ差がつくのは、やはり私達日本人は会話の練習が圧倒的に足りていないからだと思います。

現在は多少改善されていると信じたいですが、私の10年以上前の記憶では、中学高校の英語学習と言えばグラマーが毎日1、2時間で、オーラルコミュニケーションは週1、2回でした。グラマーが必要ないとは言いませんが、バランスが悪すぎると思います。せめてOCと半分ずつにするべきです。

子供達を紙の上に押さえつけて知識だけ無理に詰め込もうとするから、みんな英語が嫌いになるんです。過去完了進行形とか滅多に使わないものをやっている暇があったら、「通じる喜び」をちゃんと教えてください。

それか、英語はもうやらなくていいと思います。
そんなことより日本語教育を見直す方が先決かも。



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ハトブリコ村内風景


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子供達

話が思いっきりズレてしまいましたが、引き続きハトブリコです。
教育センターの少年達とお別れした後は、ハトブリコの村を少し散歩しました。

ここはスーパーも銀行も無い小さな村ですが、人々の笑顔なら沢山あります。私は現地語を解さないのでほとんど意思疎通ができないのが残念ですが、彼らは皆、すごく離れた所からでも声をかけてくれ、大きく手を振ってくれます。



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本日の晩ご飯

今日の昼まで肉祭りだったのに、急にたまご祭りに転向しました。
しかも無味です。肉祭りはちゃんと美味しい味付けがしてあったのに、何故。



明日はディリに帰ります。

あの道をまた6時間歩くのは辛いので、宿の人にバイクを持っている人を紹介してもらい、送ってもらえることになりました。宿の人は現地語ですが私は当然喋れないので、ちょうど来ていたツアーグループのガイドさんを捕まえ、通訳を頼みました。最近こういうのに強くなって来た気がします。何とかしなきゃ何ともならない状況が増えたものですから、必然的に。


<情報コーナー>

○ ラメラウ山登頂

ガイド料20ドル。これが最安で、聞く相手によっては25ドルくらいの場合もあるとのこと。
ご来光目当てに行く場合、深夜3:00ごろハトブリコ出発、5〜6時間後帰還。
暗闇の登山は危険なのでガイドの手配は必須。ラメラウ山登山道は所々分岐がある割に案内表示もなく、明るいところでも分かり辛いため、日中の登山でもガイドさんと行った方がいいかもしれない。
夜間の登頂は懐中電灯またはヘッドライトが必要。また、山頂付近はかなり冷え込むため防寒着は必須。ウィンドブレーカーや、手袋とマフラーもあると良い。


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