PREV | PAGE-SELECT | NEXT

エベレスト街道9、エベレスト・ベースキャンプ


<10/30 トレッキング15日目>

20181218195620b9a.jpeg

本日はゴラクシェプとの中間地点にあるロッジ村、ロブチェまで参ります。

ロブチェまでは2、3時間の距離ですし今いるゾングラとの標高差はたったの100mですし、今日で一気にゴラクシェプまで行っても構わないのですが、体調が悪いので行きません。主に下痢と疲労です。身体に力が入らないんですのよ。

まあそうでなくても、宿確保問題があるので一気に行くのは得策ではありません。ゴラクシェプなんか特に大混雑が予想されるので、二日に分けてでも午前中早めの時間に着かなくては。



20181218195620ad9.jpeg

20181218195620eab.jpeg

ゾングラからロブチェへの道は楽勝ウェーイでした。Wayとウェーイwwをかけました。だから何と言われても困ります。

そして実際には全くウェーイではありませんでした。体調が悪いと言っているでしょうが。これだから話を聞かないパーリーピーポーは困ります。



20181218195620d9e.jpeg
ロブチェ(標高4,910m)

2時間半ほどでロブチェに到着しました。

途中山を降りていくトレッカー達と沢山すれ違いましたが、皆さんニッコニコでした。おめでとうございます。頑張ったんですね。



20181218195620ad8.jpeg
ロブチェの宿「Alove the Cloud Lodge & Restaurant」

ロッジ村の入り口辺りに宿チケットカウンターっぽいものがありましたが、面倒臭いので無視しました。でも何も問題はありませんでした。なお、ロブチェの宿は高くてどこで聞いても一部屋700ルピー(=円)でした。ハイシーズン価格なのか、いつもこうなのかは不明です。

でもまあ仕方ないし受け入れるかと思ったら、宿のおかみさんが「誰かと同室でもいいって言ってるオールドガイがいるから、その部屋なら一人350ルピーになるわよ」と提案してくれたのでそのようにしました。

そして部屋でぐったり昼寝をしていたら件のオールドガイが帰って来たのですが、



2018112420191973f.jpeg

トマークおじさんでした。


おじさん久しぶり〜!まさか本当に再会できるとは!

ところでトマークおじさんはまだ51歳ですので、オールド呼ばわりは止めてあげてください。まだまだ元気なナイスガイですので。



20181124231905b0c.jpeg
懐かしの牛歩隊

さて、ゴラクシェプからエベレスト・ベースキャンプとカラパタール(エベレスト展望の丘)という二大目的を果たし、これからチョラパスを越えゴーキョに向かうというトマークおじさんは予定通りのルートを歩いていますが、はて、女神二人はどこへ?

と聞いてみましたら、マリアンはゴラクシェプまで行ったけどエベレスト・ベースキャンプだけで力尽き、カラパタールは未踏のまま下山。ティファニーに至っては、ここロブチェよりさらに手前のディンボチェでリタイアしてしまったそうです。

帰国便の関係から日数にリミットがあるし、このハイシーズンにおいてはルクラからのフライトに希望通り乗れるとは限らないので、これ以上先へ進むのは怖いと。


真似事とは言えガイドまがいのことをやらされていた立場としては、妙に責任を感じてしまいました。

私はあくまで素人なのでこんな気持ちになる必要はないし、そもそもガイド代わりをやれていたと思うこと自体が勘違い甚だしいのですが、なんと言いますか、ホレ。自分の離脱のせいでチームのリズムが崩れた可能性を考えると、何かスマンと思うわけです。

皆一緒なら行けたんでしょうか。それとも共倒れになっただけでしょうか。

あまりにも寂しい、牛歩隊の解散報告でした。



20181218195747068.jpeg

ロブチェには立派な水場があり、トレッカーや宿従業員の人達がここで水をくんだり洗濯をしたりしていました。皆さん割と普通に石鹸を使っていますが、この水は川に一直線です。ナチュラル石鹸的なものであると信じます。

私はここでくめるだけの水をくんでおきました。何故なら明日行くゴラクシェプには水場が無いらしいからです。

トレッキング中は通常、川、湧き水、共同の水場、あるいは宿のキッチンなどから飲み水(念の為浄水タブレット使用)を貰っていますが、ゴラクシェプではそのどれも使えないそうです。そうなるとペットボトルの水を買うしかありませんが、ゴラクシェプのそれは1リットル500ルピー(円)ほどします。買えません。

なので、明日の荷物が多少重くなろうが何だろうが、ありったけの水を持っていく必要があるわけです。



20181218195620d37.jpeg
本日のお昼ごはん/フライドヌードル

お昼に食べたフライドヌードルがあまりに油びたしで、体調が悪化しました。よって夕飯は食べられませんでしたが、飲み物だけで許して貰えました。

エベレスト街道の宿は二食食べることを条件に無料〜安価で泊まらせて貰えていますが、それは夜と朝でも昼と朝でも何でもいいし、体調が悪いのに無理矢理二食食べさせられたりはしません。ただ宿側はそれで採算を取っているので、こちら側もせめて飲み物を頼むとか、それなりの誠意を見せるのが良いと思います。



<10/31 トレッキング16日目>

201812181957473c4.jpeg
雪の結晶

20181218195747778.jpeg
本日の朝ごはん/クリームスープ

チョラパスに向かうトマークおじさんと別れ、また一人で出発です。

本日はゴールのゴラクシェプまで参ります。体調はすこぶる悪いです。めでたく血便が出ました。でも高山病の症状に血便は無かった気がするので、見なかったことにしました。

結論を先に書きますと、下山後ピタリと治ったので大丈夫です。



20181218195747867.jpeg

20181218195747ecb.jpeg

ゴラクシェプ行きの道は既に大混雑していました。そして人混みが苦手な私はますます具合が悪くなりました。



20181218195747045.jpeg
ゴラクシェプ(標高5,140m)

およそ2時間半後、口からタマシイが洩れ出そうになりながらも何とかゴラクシェプに到着しました。

ここにも宿チケットカウンターらしきものがありましたが、無視しました。何も問題ありませんでした。



20181218200411a32.jpeg
ゴラクシェプの宿「Buddha Lodge & Restaurant」

2軒聞きましたが満室で、3軒目で空きを見つけたのでそこに決めました。ロブチェと同じく、一部屋700ルピーでした。

まだ朝の10:00なのに噂通りの混雑ぶりで、ラウンジもまさに芋洗い状態でした。うへぇでございます。まあチェックアウト前のお客さんも混ざっているのでしょうけど、それにしたって芋洗いすぎです。給食センターですか。

トレッカーの殆どが目指すゴールなのに部屋数は限られているので、こうなるのは仕方ありませんが、かと言って宿を増やすのも容易では無いのだと思います。資材の運搬問題もそうですし、国立公園保護の問題もあるので。人が増えればゴミも増えます。ビールの空き瓶とか、おそらく永遠に回収できず山に溜まっていくのでしょう。

ハイシーズンとローシーズンではトレッカーの数は文字通り桁違いですから、こうなるのが嫌ならシーズンを外すしかないです。



20181218200411983.jpeg
本日のお昼ごはん/ヌードルスープ

山中では節約及び夕飯を最高の状態で楽しむため昼は抜く主義(携帯食で代用)のわたくしでございますが、ここ数日は食べています。少しでも体力を回復させるためには、エネルギー補給と休息が最重要課題だからです。お高いにも関わらず卵を積極的に食べているのもそのためです。今のところあまり効果は表れていませんが。



20181218200411bca.jpeg

お昼を食べて少し休憩したあとは、水だけ持ってエベレスト・ベースキャンプに向かいました。



201812182004117c4.jpeg

20181218200411fe6.jpeg

道中こんなものを見かけました。記念碑と言うか、お墓と言うか。

これを見たときから、何かお腹の底からこみ上げてくる感情を抑えるのに必死でした。



20181218200548c1f.jpeg

20181218200548fd1.jpeg

エベレスト・ベースキャンプです。  

今はエベレスト街道トレッキングのハイシーズンですが、エベレスト登山のシーズンではありません。なので、本日ここにテントを張っている登山隊の姿は一つもありませんでした。



2018121820054831b.jpeg
エベレスト・ベースキャンプ(標高5,364m)

「エベレスト・ベースキャンプ」とは言っても、ここからエベレストは見えません。近すぎて、手前の別の山に隠れてしまっているのです。

なら何故皆さんここに来るのかと言うと、上の写真のようなことをするためです。一つの思い出と、ここまで頑張った達成感の記録ですね。

エベレスト登山の視点で言うとベースキャンプはゴールでは無くスタート地点なのですが、私達素人トレッカーが来られるのはここが限界です。素人が素人なりに頑張り、それを自分で褒め称えることに何の問題がありましょうか。私達はとっても頑張ったのです。

まあ私は記念撮影をしていないのですけども。並ぶのが面倒くさくてね。



20181218200548993.jpeg

エベレストです。奥の黒いお方。先述の通りベースキャンプからはエベレストは見えませんので、これは少し手前の高台から撮った写真です。



20181218200654933.jpeg

ここでもう耐え切れなくなって来た私は、キャーキャーヒューヒュー楽しそうな人々に背を向け、そっと10m程の距離を取り、岩陰に隠れて一人メソメソ泣きました。

先程お墓を見てしまったためか、今年亡くなったかの登山家の無念を想像してしまったためか、目の前にある世界一のお山が酷く恐ろしく、憎く、そして悔しくてたまらなくなったのです。

世界中の登山家達が憧れ、挑み、そしてそんな人々を飲み込んで帰さなかったエベレスト。

帰らなかった彼らは、いえ、無事帰ってきた人々も含めた全ての登山家達は、何故あんな悪魔みたいな山に挑んでしまうのでしょう。あの山が人間を優しく受け入れる気などないことは、皆分かっているはずなのに。



201812182006544a2.jpeg

それでも、だからこそ挑むのでしょうか。達成感に、征服感。「命を懸けて」なんて言いながら、本当は皆死にたくなんてなかったし、死ぬ気も無かったはずです。ただ登頂して旗を立てて写真を撮って、その勲章を胸に笑顔で帰りたいという、単純で壮大で最高に格好良いその瞬間のために、どれだけの命がこの地獄みたいな風景の中に沈んだのでしょうか。

もちろん、エベレストは多くの登山家達が輝かしい歴史を残したお山でもあります。でもこのときの私は、高山病による酷い体調不良と蓄積された疲労により、かなり情緒不安定になっていたのでしょう。

何かもう、この風景とエベレストが、地獄と悪魔にしか見えませんでした。



<11/1 トレッキング17日目、カラパタール>  

20181218200654896.jpeg
カラパタール(標高5,550m)

翌朝、夜明け前から登ったカラパタールです。

こちらはゴラクシェプより400mほど高いところにある展望ポイントで、ベースキャンプと並ぶ人気の名所となっています。

寒すぎて写真を撮る余裕が無かったのであっという間に着いたみたいな書き方になってしまいましたが、実際のところは2時間近くかかっているし、滅茶苦茶キツかったです。道はごくなだらかな登りですが、標高が高いのと体調不良が以下略。

何度諦めようと思ったか分かりませんが、顔色を失いながらも断固登り切る私です。負けず嫌いと書いてバカと読みます。緊急搬送されなくて良かった。何故か頭痛や睡眠障害はすっかり引き、下痢と疲労だけなんですけどね。



201812182006546a6.jpeg

エベレストです。左奥の黒いお方です。

美しいですね。

地獄も悪魔も、美しいのです。だから皆誘われて飲み込まれます。私はもう、一刻も早くこの地獄から逃げ出したいです。つまるところ下山して飲みに行きたいです。



20181218200826928.jpeg

帰り道で振り向いたら、宝石みたいなお山がそびえていました。

こんなんありましたっけね。登っている途中は何も見えていなかった様です。



20181218200826ff5.jpeg
ゴラクシェプ

2018121820082614d.jpeg
本日の朝ごはん/ガーリックスープ

ゴラクシェプに帰還しました。朝ごはんを頂いて少し休んだら、今日はこのまま下山ルートに入ります。



こうして、わたくしのエベレスト街道トレッキングはめでたく「ゴーキョ・ピーク」「エベレスト・ベースキャンプ」「カラパタール」という3大目標全てを達成いたしました。エベレストもしっかりこの目に焼き付けました。
 
実は道中知り合ったトレッカー達に勧めて貰った名所が他にもいくつかありますが、そんなもんは無視して帰ります。体調不良だと言うてるでしょうがこう見えてもだいぶ限界なんですよバッキャロー。


以上です。

次回は下山日記です。


にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
ブログランキングに参加しています。記事が面白かったらクリックお願いします。


<情報コーナー>

◯ ゾングラからロブチェ、ゴラクシェプ

Dzonglaからロブチェはなだらかな登りとフラット。LobcheからGorakshepは小さめのアップダウンを繰り返す。途中他の集落や宿は無し。ロブチェもゴラクシェプも入り口に宿チケットカウンターらしきものがあったが私はスルーしてしまった。しかし特に問題は無かった。

◯ ゴラクシェプからエベレスト・ベースキャンプ、カラパタール

エベレスト・ベースキャンプまでは登り気味の緩やかなフラット、一部登り。カラパタールは標高400mアップだが比較的緩やかに登って行く。朝行くと滅茶苦茶寒いので十分な防寒対策を。

◯ ロブチェの宿

「Alove the Cloud Lodge & Restaurant」 
ツイン一部屋700ルピーをシェアで一人350ルピー。全宿共通ぽいが、ハイシーズン価格かも。おかみさんが肝っ玉母ちゃんみたいで温かい。ダルバート790ルピー。

◯ ゴラクシェプの宿

「Buddha Lodge & Restaurant」
ツイン一室700ルピー。全宿共通ぽいが、ハイシーズン価格かも。大きな宿で団体客も多い。ダルバート850ルピー。

| ネパール | 09:53 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

畏れ多い山

エベレストの本来の名前であるチョモランマは風と大地の女神という意味です。地元の方々は「女神様は1年間に1週間だけ微笑んでくれる」と言うそうです。それだけ厳しい自然表し、畏敬の念を持っておられるのだと思います。

| らいら | 2018/12/19 21:20 | URL |

貰い泣きしました

ずっと読んでいてとうとうエベレストベースキャンプ。
タイトルだけで何かとうとう頑張らはったとウルッときていたのが泣かれた記述で。
私も10年前にパッカービギナークラスの頃にルクラ→ナムチェ、タンボチェを歩き、
世界で一番高い山を見れて満足して帰っていました。
その後パッカーをこじらせた後いつか高齢前にエベレストベースキャンプまで…と夢を持っていたので余計。

本当に文字通り五千超えたら別世界ですよね、ベースキャンプまで到達したらいろいろ思いますよね。
エベレスト街道お疲れ様です!!

| トモゴロウ | 2018/12/20 19:38 | URL |

Re: 畏れ多い山

>らいらさん

女神の美しさと恐ろしさを一番知っているのは、やはり地元の人々なんですよね。エベレスト登山やシェルパ族ガイド、ポーターの人々、そして外国人登山隊と彼等の関係に関する記事を読んで、色々と考えさせられました。

| 低橋 | 2018/12/21 01:11 | URL |

Re: 貰い泣きしました

>トモゴロウさん

ありがとうございます!無事トレッキング日記も完結いたしました。
こんなに長期間のトレッキングをしたのは初めてですし、前半は楽しかったものの後半は相当苦しかったので、色々耐えていたものが着いた瞬間に決壊してしまったのかもしれません。次に行く機会があれば、さらに入念な高山病対策をして万全の体調で挑み、かの山の美しさを素直に受け止められたらいいななんて思っています。

| 低橋 | 2018/12/21 01:18 | URL |















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://watatobu.blog.fc2.com/tb.php/1003-974609c2

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT