昨日はツアー終了後も件のセクハラ爺さんがしつこかったのですが、でも爺さんだし優しくしなきゃと思って
「じゃあ明日また来ますから」「明日貴方の会社でバスチケットを買いますから」と説得して別れました。
そしてその足で別の会社に入ってチケットを買いました。
いつまでも言いなりになっていると思うなよコンニャロー!

クルドの犬
昨日の爺さんに会わない様コソ泥のような動きでターミナル内を移動しました。
今思えばこれ見よがしに別のバスに乗り込んで中指立ててやれば良かったです。
大きな地図で見る今日はタトワンに移動します。
タトワンはワン湖の西側にある小さな町です。
湖を挟んで東側、バスで2時間の所にはワンという町があります。
まだ記憶に新しい、去年11月の震災の被災地です。ここはまだ復興の途中です。

また、ワンはイスタンブールで見たオッドアイの猫の故郷でもあるそうです。
ブログを見た方がコメント欄で教えて下さいました。
歩き方には載っていないと書きましたが、ワンのページにちゃんと載っていました。
通称ワン猫と呼ばれている猫で、そのオッドアイの珍しさから保護繁殖が進められているんだとか。

クルドの家畜
ワンの話ばかりになりましたが目的地タトワンに着きました。

降りた所
歩き方に「ドウバヤズットからのバスはターミナルや町には行かず幹線道路で降ろされる」とありましたが真でした。予備知識が無かったら道端に捨てられたかと思うところです。
町の中心(下の方)までは2キロ以上あります。
明るいうちに着く便に乗っておいて良かったです。
身軽ならまだしも荷物を背負っての2キロは結構キツいのですが、
朝ご飯もちゃんと食べたしまあ何とかなるだろうと思い歩き始めました。
そして5歩くらい進んだ所でやっぱダルイわと思いヒッチハイクをしようとしたら、
手を挙げる前にあちらから止まってくれました。トルコ人さすが。助かります。

乗用車のトルコ人男性に乗せてもらい、町の中心まで来ました。
宿はとっていないのですが、とりあえず最初に目に付いた所に入ってみたら
安くはないけど予算内だったので早々に決めました。
グラーツ事件以来せめてシーズン中は宿の予約をするという誓いを立てていましたが、
東部の小さな町の宿はオンライン予約サイトに載っていないことがほとんどなので。
でも西部に比べ物価が安く、混雑もしていないのですぐ見つかります。
タトワンに来た目的はお隣のアフラットという町です。
ここにはアフラット・メザルラル(墓所)という場所があり、良さげな景色が広がっています。
これまた歩き方の写真を見て惹かれたのでやって参りました。
タトワンからアフラット・メザルラルまではドルムシュ(集合タクシー)で50分です。
このドルムシュは一時間に一本程度で、夜7時には終わってしまうそうですが現在午後4時。
ここへ行くのは明日の予定でしたが、ギリギリ行けそうなので予定を変更して出かけました。
ドルムシュはアフラットの町中行きですが、このやや手前で降ろしてもらうのが良いそうです。
なので、ドルムシュに乗るときに運転手さんに行き先を告げておきました。
周りの人にも聞こえる様に言うのがコツです。トルコ人は滅茶苦茶親切なので、右も左も分からない私の様な旅行者をすごく気にかけてくれ、目的地についたら必ず誰かが教えてくれるのです。
目的地をうまく伝えられなかった場合はガイドブックや地図を広げるのが有効です。
隣の人がほぼ確実に興味を持ってくれ、行き先の写真を指差すと「ああ○○ね!」という感じで嬉しそうに名前を読み上げてくれます。そしてそこへ着いたら教えてくれるし、その人が降りた後でも聞いていた他の誰かが教えてくれるのです。
トルコ人素敵でしょう。
外国人旅行者を本当に大切にしてくれるんです。
バスに揺られて50分。車窓からそれらしきものが見えて来たので、
ここかな?と思い周りの人を見たらニコニコしながら頷いています。
「ここですか?」「ここだよ~」ここかあ~。
・・・・。
通り過ぎるバス。止まって!!「降ろして下さい」と英語で主張しても周りは皆ニコニコと頷くばかりで通じず、
結局アフラット市街地まで連れて行かれてしまいました。
「降りる」というトルコ語を知っておくべきでした。
それか窓からアイキャンフライするべきでした。

アフラットの町中からメザルラルまでは歩ける距離でした。20分くらいでしょうか。
途中で出会った牛が愛らしかったので私はこの子に会うために
アフラットで降りたに違いないと自分に言い聞かせながらシャッターを切りました。

のし鳥を激写。
一応モザイクをかけましたが別に平たいだけで鳥の形をしています。
車に轢かれたんでしょうかね。

アフラット・メザルラル
到着しました。
もっと素っ気なく在るかと思ったらちゃんとゲートや駐車場があります。


こんな所です。
何百年も前のお墓もあり、ほとんどが倒れたり傾いたりしています。
林立している石に近づいてよく見てみると読めない文字や模様の様なものが書かれており、
ただの石ではないことが分かります。
夕方に来たのは正解でした。
夕方の柔らかい光に染まった枯れ草と、石から長く伸びる影がより神秘的な光景を作り出していました。
朝方も良いんじゃないかと思います。秋や冬も。

カサカサ音がするので鳥でもいるのかと思いカメラを向けたら亀でした。何故。

しばらく夕方の風に吹かれて気持ちが良かったのですが、
帰りの便が無くなると困るので終わりにしました。
帰りもまたドルムシュに乗らないといけないのですが、
来たとき降りた所までまた行くのも面倒くさいし、
どうせここも通るので拾って貰おうと思いメザルラル前で待っていました。
が、20分ほど待っても来ず、暇なので結局アフラットまで行ってみることにしました。
そもそもアフラット発が何時かを知らないのですが、
この道を歩いていれば何時に通っても見逃す事はないはずなので。
もうすぐ目標地点と言う所で商店前に座っている少年達に声をかけられたので、片言で「タトワン行のドルムシュ乗り場は向こうで合ってるか」と聞いてみたところ、「ここを通るから待ってればいいよ」と言って椅子を出してくれました。トルコはこんな小中学生くらいの子供も親切で紳士的です。
しかししばらく待ってもドルムシュが来ないので彼らも心配してくれ、
商店の中にいた大人がどこかへ電話して確認してくれました。
そしたら本日のドルムシュは終わってました。往路は6時が最終だったようです。6時って私メザルラル前にいましたがいつ通ったんでしょうか。
「アフラット」と書かれたドルムシュが通りましたがもしかしてもしかしなくてもあれでしょうか。
何故「タトワン」に書き換えておいてくれなかったんですか・・・
・・まあ過ぎたことは仕方ないにしても、大変困ったことになりました。ホテルに帰れません。
途方に暮れていたら、電話してくれた人がアフラットのバスターミナルまで車で送ってくれ、
そこにいたタトワンを通る長距離バス運転手と交渉してくれました。
タトワンには止まらないバスですが、タトワン横の幹線道路を通るので近くで降ろしてくれるそうです。
本当に本当に本当にありがたいです。
トルコ人はどうしてこんなに優しくて面倒見が良いんでしょうか。何度ありがとうと言っても足りません。
こんなに甘やかされてしまって、私はこの国を出た後また一人でやっていけるでしょうか。
乗客の中には英語を話すトルコ人男性がいました。
彼が通訳を引き受けてくれたおかげでバス運転手との交渉がスムーズにいきました。
その彼とはバスの中で色んな話をしました。
話題の中心は震災のことです。
私がワンには行かなかったというと、彼は
「ワンの人達は日本人のことが本当に好きだから行ったら喜ぶよ」と言います。
トルコにはもともと親日の人が多いのに加え、
去年のワンの震災後、復興の手伝いに来ていた日本人が余震で亡くなった件があるからです。
この事はワンの住人だけでなく、トルコの人達にとって忘れられない出来事なんだそうです。
でも、だからこそ行けませんでした。
私は復興のお手伝いに行けるような準備はしていないし、そんな私が被災地を訪問して日本人だというだけでチヤホヤされるのはおかしいし、亡くなった宮崎さんやそのご遺族に贈られるべき感謝と親愛を私が受け取るのもいけないと思ったんです。
単に向き合うことから逃げてるだけと思われるかもしれませんが、
なんだか心の整理がつかなくて、行ってはいけない気がしてしまったんです。
トルコの人たちはワンの地震の話をするときは必ず日本の震災にも触れ、一緒に祈ってくれます。
「私たちは同じだ」と言ってくれる彼らに対して、私も手を合わせ、祈らせてもらいました。
あっという間に時は過ぎ、約50分後。
バスは昨日と同じタトワン近くの路上で止まりました。
いや、よく見ると同じじゃないです。ここはどこ。
バスの運転手と給仕係の人は「ここまでしか送ってあげられないからそこの人に聞いてミニバスかタクシーをつかまえて」と言って去って行きました。
どこの人?と思いキョロキョロしたら道の向こうでトラックの運ちゃん達が手を降っています。
彼らにタトワンに行きたい旨を伝えると、
近くにあるらしいターミナルから来たミニバスを捕まえて乗せてくれました。
こうして、沢山のトルコ人達に助けられながら無事ホテルに帰ることができたのでした。
せっかくドウバヤズット到着時の反省を活かして早く町に着いたのに、
その後出掛けて失敗するとはまだまだ危機感が足りていません。反省に次ぐ反省です。

本日の晩ご飯
ミニバスを降りて信号を待っていたら露店のお兄さんが一つ味見させてくれ、
美味しいと言ったら全部くれました。
チー・キョフテというお料理です。
生の羊肉と挽き割り小麦のペーストだそうです。生て。
でも食べてみたかったのでラッキーでした。
お味はというと、なんというか、焼いた方がいいのではと思いました。
レモンと塩を強めにかけると美味しいです。
<情報コーナー>○ アフラットのバスターミナル
市街地から3キロ離れてる。ここには止まらなかったのでよく知らない。
市街地へはセルヴィスやドルムシュが出てるらしいので困る事はないのでは。
ドウバヤズットなど、東側からの便はターミナルにも市街地にも行かずに幹線道路上に降ろされる。
南側に町が見え、中心(郵便局があるあたり)までは遠いけど2キロ少々なので歩けない事は無い。
中心まで行かなくていいのなら、町の北の端はすぐそこ。
○ アフラット・メザルラルの行き方
PTT(郵便局)の横から一時間に一本くらいの感覚でアフラット行のドルムシュが出るので、
それに乗って「ミュゼ(博物館)」前で下車。アフラット市街地直前、タトワン方向から見て左側にある。
先に運転手さんに言っておくといい。

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