今日は11時間かけて移動しました。
大きな地図で見る次の目的地は少し遠くて、クロアチアのスプリトという街です。
ここも美しい街なのですが、今回の最大の目的は移動の方にあります。
地図の通り、クロアチアの西側はアドリア海に面しています。
このアドリア海沿いは欧州一、二を争う美しい海岸と言われていて、
ここを走るバスの車窓から美しい景色を見る事ができるのです。
なお、一、二を争ってるのは多分イタリアのアマルフィ海岸ではないかと思うのですがよく知りません。
大きな地図で見るまずは電車でクロアチアのリエカという街へ。所要時間約2時間です。
調べた限りだとポストイナからリエカまでは朝一と夕方しかないようなので、朝一のに乗りました。
朝7:16発です。そうしないと夜までにスプリトに着けないので。
電車は途中、国境付近の駅で長めに止まり国境審査を受けました。
スロベニアまではシェンゲン圏内ですが、ここから先は違います。
まずはシェンゲン出国審査です。車内で待っていると三人組の国境審査官が回って来て、パスポートを確認。シェンゲン入国印を探して「エストニアからだね?」「そうです」で、スタンプを押してくれて終了です。所要約30秒。簡単でした。
本日付けでシェンゲンを脱出したので、カウンターは23日間で一旦ストップです。
シェンゲンに加入する国はどんどん増えて来ていて、それは旅行するのにとても便利なのですが長めに旅をする場合には少し面倒でもあります。魅力的な国がこんなに多いのに、それらを全て90日以内で回らないといけないとなると結構気を使います。私はまだまだ2ヶ月以上残っているのでいいですが。
電車はまた少し進み、別の駅で今度はクロアチアの入国審査を受けました。
こちらも簡単で、軽くパスポートの中身を確認したあと入国印を押してくれました。同じく所要30秒です。
クロアチアは90日以内の滞在ならばビザ不要です。
欧州はシェンゲン以外でもだいたいそんな感じのゆるい規定なのでラクチンです。
もちろん、これは誰でもそうなわけではなく、日本のパスポートだからです。日本を信頼される国に作り上げて来た人々のおかげ、そして行儀良く旅をしてきた先輩達のおかげです。あと余計な話ですがいっぱいお金落とすからでしょうね。

リエカに着いたのは午前9時ごろです。午後一のバスに乗りたいので、ひとまず席を押さえるべくターミナルを探しました。駅前に地図がありましたが、ターミナルらしき表示は数カ所あるのでよく分からず、一番近いインフォメーションに行って聞いて見ることにしました。
・・・そしたらその途中に小さなターミナルっぽいものがあり、
「スプリト」と書かれたバスが停まっていたので思わず乗ってしまいました。
間に合わないと思って目標外でしたが、そういえば9:30発のバスもあったんでした。
乗ったあと「あ、リエカ観光・・」と思いましたが仕方ありません。
これから行くのも海の街なのでそこで無念を晴らすこととしましょう。
大きな地図で見るリエカからスプリトはバスで8時間の道のりです。長いぞお。
クロアチアのバスはどれも運転手の他にマネージャーみたいな人が乗っており、
切符を切ったり、荷物の出し入れをしたり、休憩時間を教えてくれたりします。
運転手さんはだめでも、この人は大抵英語が通じるっぽいです。
車窓からの景色は本当に噂通りの素晴らしさでした。



必ず右側の席に座って下さい。
左に座るとずっと岩肌と高い山が連なりこちらもまた素晴らしいのですが、
せっかくなので海に面した席がお勧めです。
大きな地図で見る写真に写っている島は地図上でも確認できるこれらです。
すごく大きいので、ずっと景色に入っています。
このあたりはダルマチア地方といい、この海岸沿いはダルマチア海岸、そしてこの形状の海岸をダルマチア式海岸と言います。ダルマチア式海岸では、海岸沿いに平行して山脈が連なり、海の上には同じく平行に長い島が並んでいます。

道は海岸の地形に沿ってクネクネと作られており、
右手は急斜面、左手はそびえる山脈なのでかなりスリルがあります。
山脈は緑ではなく岩山で、植物はあまりありません。
この日照りの中たくましく立っている木々が格好良いです。

途中で休憩した場所の海です。
魚の写真を撮ろうとしたら運転手さんがパンを投げ入れて魚を集めてくれました。
今夜は魚料理を食べる事に決めました。

海岸沿いにある小さな街やビーチをいくつも通りました。
個人のビーチみたいな所や、岩場みたいなところで泳いでいる人もいます。
海は蒼く美しく、そこで泳ぐ人達は本当に気持ちよさそうです。
あまりに羨ましくてバスの車窓から飛び出そうかと思ったくらいです。
蒼い海を赤く染めることうけあいです。
途中、海岸沿いに家10軒くらいの集落があり、その全てに「ROOM(貸部屋)」と書かれていたのには笑いました。ご近所同士で泊まりあうのかと。
でもあとから思えば、県外から来る人のバカンス用に家ごと貸し出しているのかもしれませんね。
欧州の人は夏休みが1ヶ月とかあって、何週間単位でバカンスに行くらしいので。

だんだん日が沈んできたころ、スプリトらしき街が見えて来ました。
スプリトはダルマチア最大の都市で、多くの観光客を受け入れるバカンスの街でもあります。
私は観光スペースの旧市街しか行っていませんが、こうして見るとかなり大きくて近代的な街のようです。

スプリトバスターミナル
スプリトに到着しました。
ターミナルは駅とも港とも隣接していて、
おまけに土産物屋や飲食店も立ち並んでいるのでものすごく雑多で賑やかです。
バスを降りたとたん、複数人に取り囲まれて何かと思ったら部屋貸しの勧誘でした。
老若男女様々な人が「部屋」と書かれたプラカードや宿の写真を持って立っており、バスを降りる人々に「宿とった?」と聞いて回っています。こんなん初めて遭遇しました。楽しいではないですか。
リエカでのトランジット中に宿を探すはずがすぐにバスに乗ってしまった私は宿無しだったので、試しに「いくら?」と聞いてみたらウンコにたかる蠅のようにワッと人が増えて「しまった」と思いました。この配役で言うと私ウンコですね。蠅レンジャーズは「150!」「200!海が見える!」「160!キッチン付き!」などと口々に言いますが、現地通貨のそれが日本円にしていくらなのか知らないので高いのか安いのかサッパリでした。というか現地通貨がありません。降ろさなくては。
目の前のATMに行きたかったのですが、レンジャーズが付いて来るので叶いません。
なのでもういいかと思い文無しのまま雑踏を離れたらそこまでは着いてこず、無事脱出できました。
一人だけずっと付いてくるガッツのあるご夫人がいたのでちょっと泊まりたくなりましたが、「wifiある?」と聞いたら「ないけどネットカフェ行けばいいと思う」というお返事だったのでゴメンナサイしました。今日は次の行き先について調べたい事がいっぱいあるのでwifiは絶対条件なのです。
その後、近くのネットカフェで宿を探し、空きがある所に電話をして無事部屋を確保できました。
最近電話で宿を取るという手段を覚えたのでだいぶ楽です。
ただ、こないだのグラーツの通話がたったあれだけで1000円くらい請求されているので
今後はできるだけ公衆電話を使おうと思います。携帯電話の普及であまり見かけないので面倒ですが。


もう日は落ちていましたが、宿が旧市街の真横で
付近はまだまだ賑やかだったのでちょっと遊びに行って来ました。
そうしたら写真の通りとてもエキゾチックで綺麗でした。
翌日もこのあたりは歩きましたが、夜の方が何倍も美しいです。

本日の晩ご飯
さすが海沿いの街なだけあって、魚介のメニューが豊富でした。
<情報コーナー>○ リエカからスプリトまでのバス:
http://www.autobusni-kolodvor.com/en/(クロアチアバス?)
私は偶然見つけたこのサイトを参考に動いたけど、
実際ターミナルに行くとここに載っている以上の本数が出ていたので全てを網羅しているわけではなさそう。
どういうサイトなのかはいまいち分からないけど使い勝手はいい。
バスは私が乗ったものはどれもトイレはあるけど使えないようになっていた。かわりに何時間かに一回トイレ休憩をはさむ。トイレ休憩なのか普通の停車なのかよく分からないのでマネージャーに聞いてから降りないと置いて行かれることに。一応発車のとき車内を見回っているようではあったが。
○ リエカバスターミナル:
鉄道駅を出て、海を背にして右側(南東側)に5分ほど歩くと右手に小さなバスターミナルがある。
このあたりの左手側にツーリストインフォメーションもある。駅前に地図があるので簡単。
○ スプリトバスターミナル:
バスターミナルと鉄道駅は隣同士。向かいにはフェリー乗り場がある。
この通りにはツーリストインフォメーション、ネットカフェなどもある。
鉄道駅待合室には大小様々なコインロッカーがある。
他、個人経営らしき掘建て小屋の荷物預かり所もある。
鉄道駅もターミナルもwifiは使えないが、街が公式に流しているフリーwifiを拾える場所が数カ所ある。
その情報が乗っている地図を私は宿で貰ったが多分インフォメーションでも貰える。
ホステルがいっぱいあるし、蠅レンジャーズが待ち構えているので宿に困る事は無い。

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